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ベルポニー減速機はコンパクト&高性能です

ベルポニーウォーム減速機

ベルポニーウォーム減速機はとてもコンパクト
その小ささからは想像もできないほど大きな減速比が得られます。
ウォームとホイルはすべり摩擦のために非常にスムーズな歯当りで、
音がとても静かです。
構造が簡単ですので、安価でありながら故障も少なく
メンテナンスも容易に済ませます。

高精度な歯による優れた歯当り

ウォーム減速機の生命は歯の精度にあります。ベルポニー減速機は、歯の精度を高めるために業界で真っ先にウォーム歯面研磨機を導入し精度 3/1000~5/1000の高精密研磨を施し、 他の高精度に加工された部品と組み立てることにより、すぐれた歯当りを作り出しております。 そしてウォーム減速機が他の歯車減速機より低効率で高い熱を発するという弱点を弊社では、歯当りの良さでカバーしております。この意味で経済性に優れた製品であります。

部品の標準化で経済的

弊社では、多くの部品に専用機を使用し、均一、かつ高精度に加工しておりますのでそれぞれの部品には互換性があります。 このことによりお客様により長くご使用いただけるように心掛けております。

使用材料

部品名 材料 備考
ウォーム軸 機械構造用炭素鋼
(S45C)
ウォームは右ネジが標準です。
歯面は高周波焼入後、ウォーム研削されております。
ウォームホイル アルミニウム青銅
(ALBC2)
ホイルボスは鋳鉄を使用し、専用機によって
高精度の歯切を行っています。
出力軸 機械構造用炭素鋼
(S45C)
軸はJIS h6〜h7に仕上げております。
本体 ネズミ鋳鉄
(FC20)
本体は衝撃荷重にも耐え得る強度を持ち、
外観も放熱効果を考慮した機能的なものになっています。
カバー ネズミ鋳鉄
(FC20)
アルミダイキャスト
(ADC)
25型までをアルミダイキャストを使用し、
30型よりネズミ鋳鉄を使用しています。
ベアリング
オイルシール
その他
NSK、NACHI、
NOK、キーパー
ゲージ及びキャップは特殊プラスチック(ABS)を
使用し衝撃・耐熱に対して充分な考慮がされております。

潤滑油

ウォーム減速機は、他の減速機に比べて摩擦が大きく発熱量が多い為、潤滑油の選定には、条件に合ったものをご使用願う必要があります。一般に減速機の給油方法は『(1)飛沫給油』と『(2)循環給油』との2つの方法がありますがベルポニー減速機は前者の飛沫給油方法が採用されています。この飛沫給油方法とは、ウォームホイルの一部が油中に浸かり、回転にともない噛合部に油を供給しながら、回転による遠心力の作用により油を飛沫状に跳ね飛ばして軸受部にも給油する方法です。またベルポニー減速機には、ご指定がある場合を除いて、エクソンモービル・モービルバキュオリン537を標準で封入して出荷しておりますが、ご使用する周囲温度に合わせて下記の粘度の潤滑油をご使用下さい。

周囲温度 使用条件 粘度
-15℃ ~ 5℃ 普通荷重
入力回転数600r.p.m.以上
VG150
重荷重
入力回転数600r.p.m.以下
VG320
5℃ ~ 40℃ 普通荷重
入力回転数600r.p.m.以上
VG320
重荷重
入力回転数600r.p.m.以下
VG460
40℃ ~ 70℃ 普通荷重
入力回転数600r.p.m.以上
VG460
重荷重
入力回転数600r.p.m.以下
VG680

御注文の要領

機種選定について

ベルポニー減速機は、お客様の色々な条件の下で、より長く、より効率的にご使用していただく為に、次のような要因を基礎として、機種の選定をお願いしております。

  1. 動力(kW・HP)
  2. トルク(kg-m)
  3. 減速比
  4. 効率
  5. サービスファクター
  6. オーバーハングロード
  7. セルフロッキング
動力

動力とは一定時間内における仕事量のことです。仕事とは物体に力が働いて、その物体を力の方向に或る距離動かした場合仕事をしたといい、この力に距離を乗じたものが仕事量です。つまり、

仕事=力×距離=kg×m=kg-m

となります。動力には馬力(HP)とキロワット(kW)があります。1kWとは、102gの物体を1m動かす能力のことで、

1kW=P×S/102
P:荷重(kg)
S:1秒間の速度(m/s)

で表されます。また、1馬力とは、75kgの物体を1秒間に1m動かす能力のことで、

1HP=P×S/75

で、表されます。よって、馬力とキロワットは次の様な関係となります。

1kW=1.35HP

1HP=0.75kW

トルク

トルクとは、物体に回転運動を起こさせる仕事量のことです。即ち、回転力、モーメントで 表され、次の様な式で表されます。

T=W×R
R:回転体の中心から作用線までの距離
W:荷重の大きさ
T:トルク

減速比

減速比力とは、入力軸と出力軸との回転数の比率をいいます。

減速比=出力回転数/入力回転数

効率

減速機は入力軸からの動力を出力軸の動力として出すまでに、摩擦によって、その一部のエネルギーを熱として放出しています。つまり、

効率=出力動力/入力動力
=kW2/kW1 or HP2/HP1

サービスファクター
減速機をご使用いただく条件には、使用時間、使用頻度、荷重の性質、衝撃の有無などでさまざまに状況が異なります。これらの条件を考慮して負荷係数を求めたものがサービスファクターです。ご使用いただく前に必ず、サービスファクターをお確かめ下さい。弊社では、以下の様に設定いたしております。
原動機 1日の稼動時間 負荷の状態
衝撃無 中衝撃 重衝撃
電動機 0.5時間(間欠的使用) 0.80 0.90 1.00
2時間(間欠的使用) 0.90 1.00 1.25
10時間 1.00 1.25 1.50
24時間 1.20 1.50 1.75
多気筒内燃機関 0.5時間(間欠的使用) 0.90 1.00 1.25
2時間(間欠的使用) 1.00 1.25 1.50
10時間 1.25 1.50 1.75
24時間 1.50 1.75 2.00
単気筒内燃機関 0.5時間(間欠的使用) 1.00 1.25 1.50
2時間(間欠的使用) 1.25 1.50 1.75
10時間 1.50 1.75 2.00
24時間 1.75 2.00 2.25

起動・停止が1時間に10回以上ある場合は下記の使用係数を適用して下さい。

原動機 1日の稼動時間 負荷の状態
衝撃無 中衝撃 重衝撃
電動機 0.5時間(間欠的使用) 0.90 1.00 1.25
2時間(間欠的使用) 1.00 1.25 1.50
10時間 1.25 1.50 1.75
24時間 1.50 1.75 2.00
オーバーハングロード

オーバーハングロードとは、軸に作用するラジアル荷重(曲げようとする力)のことで、減速機の入力軸、出力軸との連結の際、カップリングなどの連結方法でない、例えばスプロケット、ギアー、Vプーリー、平ベルト等で連結する場合には必ず選定の上で考慮に入れていただきたい要件です。オーバーハングロードが大きすぎると、軸やベアリングに過度の荷重がかかり軸が曲がったり、折損したり、ベアリングに熱をもったり、本体が割れる原因となります。弊社カタログに記載されている機種選定表中のオーバーハングロードの許容値は、出力軸寸法の中心に荷重がかかった場合の数値ですので出力軸寸法の中心以外に荷重がかかる場合には、次の式にてご検討ください。

荷重の作用位置が外側の時 W=W(L/L+L

荷重の作用位置が内側の時 W=W(L/L1-L
WA:カタログ機種選定表中のO・H・Lの数値
WB:実際のオーバーハングロード
L1:出力軸の中心からベアリングの中心までの距離
L2:荷重の作用点から出力軸の中心までの距離

WB≧T×H/R
T:トルク×使用係数
H:オーバーハングロード係数(下記表)
R:スプロケット・ギアー・プーリーの半径

※オーバーハングロードの数値(W)が上式を満足しない場合は、 R(すなわちスプロケットホイル、ギアー、プーリー等ピッチ円半径)をより大きいものにする必要が有ります。

オーバーハングロード係数(H)
チェーン 1.00
ギアー 1.25
Vベルト 1.50
平ベルト 2.50
セルフロッキング
ウォームギアーには、ブレーキ作用のあるのが特徴です。しかし、ベルポニー減速機は、効率を良くする為にウォーム歯面に高精度全面研磨を施してありますので、この作用が充分に働きません。この作用を働かせる為には、効率を50%以下に落とす必要があります。セルフロッキングは『(1)荷重が静止している場合』、『(2)荷重が運動している場合』、に分かれますが、静止摩擦は運動摩擦より常に大きいので、(1)の場合に作用したからといって、(2)の場合にも作用するとは必ずしも言えません。この作用の要素は、ウォームとウォームホイルの歯面摩擦係数とねじれ角とによって決まります。通常、一般的に一条ネジのウォームでは1/40~1/60以下でセルフロッキングしています。ところがベルポニー減速機の場合は、歯の滑りが余りに円滑で効率が高い為に、3°前後のねじれ角が必要であります。セルフロッキングを必要な場合は、必ずご相談下さいます様お願い致します。
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